太陽光発電の弱点と今後

1,エスコシステムズ監修!パネルによる発電効率の仕組み

太陽光発電は、平成23年3月11日に発生した東日本大震災に起因する福島原発のメルトダウンにより日本国内の電力供給システムの脆弱さが露呈するとともに原子力発電所の危険性を再認識させられ、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始されたことで急速に普及しました。

しかし、現在の太陽光による発電パネルはシリコンを使用している製品が大半を占めており、雨天や曇天では期待値を大きく下回る発電量しか得られない悲しい現実があります。

 背景には、シリコンを使用した発電パネルがパネルに注がれる太陽光の3分の1も電力に変換できない効率性の悪さがあり、理論上の変換効率は29.6%とされているのが現状 です。

太陽光には、目に見える光線だけでなく女性の大敵とされるウルトラバイオレットなどの有害光線を数多く含んでいますが、現在主流となっているシリコンを使用した発電パネルは特に高周波の光線で起電することができず変換効率が理論上29.6%と低くなっています。

太陽光発電は、人工衛星でも使用されている次世代を担うエネルギー手段ですが、天候や季節によらず安定的に大容量起電できるシステムでなければ「脱原子力発電」は夢のまた夢です。

人工衛星は、必要最小限の面積で最大限の起電力を得る必要があることからシリコンだけでなく異なる周波数に対応可能な物質を使用した発電パネルを重ねることで最高起電力を得ていますが、人工衛星の多層式発電パネルは非常に高額であることから現段階では一般市場にフィードバックすることができない技術とされています。

 

2,太陽光発電のイメージと現実

発電パネルは、太陽光の含まれる全ての周波数の光線に対応できるように様々な素材を組み合わせることで変換効率の向上が可能とされ、東京大学で開発中のシステムは下敷き一枚分の面積で1家族分の電気を賄えると推測されています。

主流となっているシリコンを使用した発電パネルは、理論上の変換効率が29.6%と低いことだけが問題視されているシステムではなく、最も発電効率の良い温度が25度と限定的なことです。

初めて設置する人は、太陽が燦々と降り注ぐ夏の方が涼しい秋や過ごしやすい春よりも発電量が多いと考えていますが、シリコンパネルは表面温度25度を1度上昇する毎に発電出力が0.5%ずつ低下する特性を持っている厄介な素材です。

シリコンパネルは、夏のピーク時には表面温度が50度近くまで上昇することもあるとされ、ピーク時の平均が42.5度程度とされています。

夏には、最も発電効率の良い25度よりも17度以上上昇することから8.5%の発電出力が低下するとされていますが、夏は冬に比べて日が長いので発電量が必然的に多くなっているのが実情です。

太陽光発電は、自分が儲けるために再生可能エネルギー固定価格買取制度を導入させたことから九州地方で「政商」と揶揄されている孫正義氏のようにメガソーラー発電所を建設しない限り理想とする発電量を得ることができず、一般家庭は過剰に発電された際に余剰電力を蓄えておくPHV自動車や家庭用燃料電池を設置する必要があります。

 

3,エスコシステムズや日本政府が目指していること

再生可能エネルギー固定価格買取制度は、順次制度の適用期限を迎えていくことから固定価格の見直しが行われるだけでなく買取自体を取りやめる電力会社が出てくる可能性が非常に高く、実際に九州電力では買取を見合わせていることに伴いシロアリ駆除で知られる「サニックス」がメガソーラー発電所を建築してしまったことからリストラを行なっている状態です。

エスコシステムズ 太陽光より引用

買取価格は、原子力発電所と決別したドイツのように1kwあたり10円〜20円程度に大きく減額されるとされ、バブル経済破綻直後のように普及速度が大きく減速すると考えられているのが現状です。

日本は、かつて太陽光発電パネルの生産量で世界第一位かつ世界のシェアを独占していた時期がありますが、設置における補助金を一切支給しなくなったことで国内の生産量が低下するとともに開発速度も鈍化したことでドイツなどのメーカーにシェアを奪われた過去があります。

 日本政府は、同様の失敗を起こさないように「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスZEH」を2020年から標準的な新築住宅に義務付けるとともに2030年までに全ての新築住宅をZEHの規制対象としており、ZEHの義務化により太陽光発電システムの普及速度に鈍化を抑制するとともに家庭用燃料電池や高性能断熱材及びトリプルサッシなどの普及の促進を目指しています 

ZEHは、年間の一次エネルギーの消費量の収支を「ゼロ」にする住宅であり、外壁の断熱性能に大幅な向上や高効率な設備の導入などで実現する模索が続けられているのが現状です。

ZEHは、いくら断熱性能や消費電力を飛躍的に向上させても家自体がエネルギーを創出することが必要不可欠であり、基本的に太陽光発電システムの変換効率もしくは発電パネルの総面積の増大は避けては通れない問題です。

現在では、透明の発電パネルをサッシのガラスに貼ったり、表面温度の上昇に左右されにくいアモルファス素材を使用するなど変換効率を向上させる研究が行なわれています。