再生可能エネルギーは、太陽光・風力・地熱といった自然にあるものをエネルギー源にしています。
石油や石炭のように使えばなくなってしまうものとは違い、地球の自然が保たれている限り枯渇することはありません。
また、大きな特徴と言えるのが、発電できる場所が多いこと、燃焼させないのでCO2を排出しないことです。
この様に特徴を見ていくと、地球温暖化を解決できる優れた発電方法のように思えます。
でも、実際のところは従来の火力や原子力に置き換わるほど、大きな発電量にはなっていません。
なぜ、再生可能エネルギーの普及が、そこまで高くないのかというと、発電方法ごとの問題点を見ればわかるでしょう。
目次
太陽光は発電量は日照時間次第
太陽光であれば、ソーラーパネルなどの設備を設置したとして、発電量は日照時間次第です。
日当たりの良い場所、晴れが続く季節でなければ十分な発電が出来ないので、初期費用・維持費用を回収するまでに、とても長い月日がかかります。
赤字が続くだけで利益が出ないままで終わることも珍しくありません。
風力だって、風はどこでも吹いている様に思えますが、大きな風力タービンを回せるだけの強い風というのは、海辺や山の上など一部の場所に限られますしかも、その風の強さというのは、太陽光と同じく季節などの影響で変わります。
それに風力タービンの羽根が回転するときには、騒音と超低周波が発せられるので、周囲に人家があれば住人に健康被害がでるでしょう。
なので、人があまり住まない海岸沿いや山の上以外の場所というのは、風力発電は難しいです。
自然によって発電量が大きく変わる発電方法に頼る危険性
電力というのは、人間の文明社会を支えるための重要な柱です。
自然によって発電量が大きく変わる発電方法に頼れば、運が悪いと停電に悩まされることになるでしょう。
停電が頻繁に起きれば、ビジネスに支障がでるだけでなく、病院のような人の命を救う施設も活動がしにくくなります。
その結果として、弱者の命が奪われることは避けなければいけません。
となれば、石炭や石油といったものをエネルギー源とする発電方法からの脱却は難しくなります。
再生可能エネルギーの発電はコストの問題がある
問題は他にも、コストのこともあります。
火力や原子力はすでに発電設備が用意されており、つくった電気を送電・配電できる仕組みが整っているので、安く電気を提供しても問題はないでしょう。
それに対して、再生可能エネルギーの発電を始めるのであれば、設備を新しく用意することから始めます。
設備の建設費用を回収するまでは電気料金に上乗せされるので、その分だけ電気代は高いです。
同じ量の電気を使って、電気代は従来のほうが安いとなれば、消費者が電力会社の乗り換えを使用とする要因はなくなります。
それが結果的に発電方法の世代交代を阻む原因です。
再生可能エネルギーのためには使うことを拒否する大手電力会社も
しかも電気を作ったとしても、大手電力会社がつくった電気を各世帯に届ける送電網の持ち主であることが厄介です。
空きがないということで、再生可能エネルギーのためには使うことを拒否する大手電力会社もいるという話です。
ライバルをつぶすためにわざと送電網の使用を認めないのはひどいと思うかもしれませんが、それは日本の法整備ができていないことが要因です送電網への接続について、従来の発電方法よりも再生可能エネルギーへの接続を優先させるということが明言されない限りは、この状況は変わらないでしょう。
今注目を浴びているの発電方法が洋上風力発電
以上のような問題点を克服することが、再生可能エネルギーが次世代の主役となるために必要です。
そうした中で、今注目を浴びているの発電方法が洋上風力発電です。
洋上風力発電は、陸地ではなく海の上に風力タービンを設置するので、何に邪魔されることもなく強い風を常に受け続けられます。
日本は島国であり、設備を設置できる海に困ることはないことが強みです。
しかも、海の上であれば人が住みませんから、風力発電の騒音問題は容易に解決できます。
そうして、羽根を常に回せる状態になれば、大規模な発電も可能になるでしょう。
あと、風力発電は、他の発電方法に比べれば発電効率が高い事で知られています。
発電の仕組みとしては、洋上風力発電も同じなので、大量の電気を作り出せます。
大量の電気をつくれる環境が整えば、電気代を下げやすくなります。
しかしなかがら、洋上風力発電が完璧な発電方法なのかというと、洋上風力発電にも問題点があります。
まず洋上に設備を設置するのは、陸地よりも大変な作業です。
送電網も完備しなければいけないので、かなりの費用がかかります。
しかも、周囲は海水が満ちていますから、機械が壊れることがないように保守点検は入念にしなければいけません。
まとめ
それに海洋生物への影響もまだ解明されていません。
海に設備を浮かべるのではなく海底に土台を設置するのであれば、潮の流れが変わることだってありますし、また貝などが設備に付着する事も考えられます。
貝などが付着すれば、それを餌とする海洋生物が集まってきて、周囲の生態系が大きく変わるかもしれません。
本格的に洋上風力発電を推し進めるのであれば、そういったことを検証していくことも必要です。