昔からファッションに興味があるほうではなく、周囲に溶け込む服装であれば問題と考えるタイプでした。
そのため一番上の子どもが幼稚園を卒業する時も、周囲のお母さんたちが着てくる洋服をリサーチして、卒業式に相応しいダークな色合いのスーツを選びました。
個人的には問題ないと安心していたのですが、実際にそのスーツを着た姿を主人に見せた時に問題が発覚したのです。
まるで葬式に行く服みたいだと言われて、とてもショックを受けました。
しかし主人の指摘も当然でした。
ダークな色合いのスーツと考えて無難に黒色を選んだのですが、喪服に見えなくもありません。
どうにかして卒業式に相応しい着こなしをしようと奮闘しましたが、結局思うようにいかずにその格好で出席することになりました。
すると意外なことに、子どもの卒業式で私と同じような喪服みたいな服装をしてくるお母さんが少なからずいたのです。
やはりどのお母さんも、子どもの卒業式にどんな服装をするか心底悩んだのでしょう。
仲間を得たようなほっとした気持ちを抱く一方で、第三者の目線から見ても黒一色の服は卒業式には似合わないと反省しました。
私の服装に子どもは何も言いませんでしたが、誰それのお母さんの服装が綺麗だったという話題をしてきたので、多少は気になる点があったのでしょう。
この時私は、次の子どもの卒業式では恥ずかしくない服装をしようと心に誓ったのです。
そこでまず着目したのが、卒業式に着ていく黒いスーツです。
この黒いスーツは一般的にはブラックフォーマルと呼ばれるジャンルのもので、当然ですが喪服とは全く違うものになります。
ブラックフォーマル、礼服、喪服って、見たときに違いってありますか?お葬式… – Yahoo!知恵袋
だからこそ違いを見せるためにも、小道具が大切なのです。
そこで自分なりにアレンジしてみましたが、やはり喪服っぽい印象から抜け出せません。
そこでブラックフォーマルを購入したショップで、着こなしについてアドバイスを受けることにしました。
この時に私がスタッフの人にお願いしたのは、あまり予算がかからない方法を教えてほしいということです。
喪服に見えないようにするために派手な宝石をつけたほうがいいと言われても、食べ盛りの子どもがいる家庭の主婦には無理な話だからです。
私の無理難題にショップのスタッフさんは快く応じてくれました。
そして色々と着こなし術を実演を交えて教えてもらったのですが、どれも本当に些細なアレンジでできるものばかりでした。
特に私が参考になったと実感しているのが、ブラウスの選び方です。
自分で着こなしを工夫しようと四苦八苦していた時は、黒のスーツにはシンプルな襟のブラウスを合わせるのが基本だと考えていました。
しかしスタッフの人が言うには、シンプルな襟だと胸元が味気なくなってしまい、スーツの黒色が際立ってしまうそうです。
そのためブラックフォーマルのような、お祝い事に着ていく服装の時はあえてフリルのついたブラウスを選んだほうが、全体的に服装が華やいで見えます。
試しにフリル襟がついたシャツを中に着て黒いスーツを着てみると、スタッフの人に言う通りでした。
それに喪服ではまずフリルシャツは着ないので、フリルがついているだけでも喪服のイメージを払拭することができます。
次に教えてもらったのが、ブラックフォーマルに似合うストッキングの選び方です。
一番目の子どもの卒業式では無難にベージュ色のストッキングを選びましたが、スタッフの人もその色が一番問題ない色だと太鼓判を押してくれました。
ただここでひとつ気を付けるべき点として教えてもらったのが、足の肌の色です。
私は普段着としてズボンやスウェットを利用しているので、足の肌が日焼けしていませんでした。
そうなると足の肌と同じストッキングの色を選ぶと、スーツの黒色とストッキングの色のコントラストが激しくなってしまいますし、足が白いので太って見える可能性があると言われたのです。
もともとブラックフォーマルの黒自体が全体を引き締めてくれる色なので、足の肌の色が白すぎる場合は少し濃いめのストッキングを選んだほうが正解です。
確かにそのアドバイスを受けてストッキングの色をいつもよりも濃い目にしてみると、足が細く見えました。
そして私が一番気にしていたブラックフォーマルにつけるアクセサリーですが、黒色が上品な色なので結婚指輪だけをはめて後は首元に真珠のネックレスをするぐらいが一番しっくりきました。
喪服のイメージから脱却しようといろんなアクセサリーを身に着けると、下品に映ってしまいます。
そして最後に服装に合ったコサージュとスーツと同じ色合いの鞄と靴をスタッフの人に選んでもらい、自分でも大満足の着こなしが出来るようになりました。
以前は喪服だと言っていた主人も、この服装なら卒業式のような式典にぴったりだと褒めてくれましたし、私の服装を褒めてくれなかった子どもも素敵だと言ってくれました。
今はこれからやって来る子供たちの卒業式が楽しみで仕方ありません。