企業の資金調達には様々な方法がありますが、起業間もない企業にとって魅力的な資金調達法のひとつがベンチャーキャピタル(VC)です。
VCとは、スタートアップやベンチャーなどの未上場企業に対して出資を行う投資会社を指します。
VCは将来有望と判断した企業に出資して当該企業の株式を取得し、その企業が上場した際に株式を売却することでキャピタルゲイン(投資額と売却額の差額)を得ることを目的としています。
ベンチャーキャピタルを利用するメリット
銀行からの融資が難しいケースでもまとまった資金が得られる
スタートアップやベンチャーなどの未上場企業は、売上高などの実績が乏しく資産も限られているケースが大半で、銀行からの融資を受けられるケースは非常に稀です。
しかし、VCはビジネスモデルや事業の成長性を重視して出資を行っています。
資金調達できる金額は数百万円から数億円まで幅広いものの、銀行からの融資が難しいケースでもまとまった資金が得られるのは大きなメリットと言えるでしょう。
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— 佐俣アンリ (@Anrit) January 29, 2023
返済義務がない
返済義務がないというメリットもあります。
VCからの資金調達は融資ではなく出資に該当するため、調達した資金を返済する必要がありません。
そのため、資金調達法として融資よりも低リスクという特徴があります。
経営に関する知識やノウハウなどが得られる
経営に関する知識やノウハウなどが得られるのもVCのメリットです。
VCは、出資先の企業が上場した際に株式を売却してキャピタルゲインを得ることを主な目的としているため、出資先の成長に積極的に手を貸してくれます。
資金だけでなく、経営に関する知識やノウハウを提供してくれたり、ビジネスに関するアドバイスを与えてくれたりします。
ノウハウの提供やアドバイスだけでなく、事業提携先を紹介してくれるケースも少なくないため、VCからの出資を受けると事業の成長スピードがアップする可能性が高いです。
金融機関からの融資が受けやすくなる可能性がある
金融機関からの融資が受けやすくなる可能性があるという魅力もあります。
VCからの投資により財務状況が改善されれば、融資の審査に通過しやすくなります。
特に、有名なVCからの投資を得られた場合、事業内容やビジネスモデルが高く評価されている企業として社会的な信用も得ることが可能です。
金融機関からの融資が得られれば、事業成長のために更なるリソースを集中することができます。
ベンチャーキャピタルを利用するデメリット
このように様々なメリットがあるVCですが、メリットばかりではなくデメリットもあるので注意が必要です。
自社株式を失う
まず挙げられるデメリットは自社株式を失うことです。
VCから出資を受けると自社株式の所有権が出資元に移るため、事業が成長して株価が高くなるほど株式や事業を売却した際に得られる資本が流出することになります。
自由な経営が難しくなる可能性がある
自由な経営が難しくなる可能性があるのもデメリットのひとつです。
VCは、出資先の成長のために知識やノウハウの提供やアドバイスなど様々なサポートを積極的に行います。
この点はメリットにもなりますが、場合によっては意図しない経営介入になることもあります。
自社とVCとの間に意思の齟齬が生まれると、事業が思った方向に成長していかない可能性もあるので注意が必要です。
VCから得たノウハウやアドバイスが必ずしも正しいとは限らない
また、VCから得たノウハウやアドバイスが必ずしも正しいとは限らないという点も念頭に置いておきましょう。
想定外のタイミングで資金回収される可能性もあります。
VCが将来性があると判断した企業に対して出資をして利益を上げることを目的としている以上、経営が上手くいかずに成長が見込めないと判断されると出資金の早期回収が行われることもあるので注意が必要です。
まとめ
また、VCの意図通りに経営を進めない場合も足切りされる可能性が高まります。
早期段階で出資金の回収が行われると、資金繰りが滞って計画通りに事業が進まなくなる恐れがあるので、この点も十分に理解しておくことが大切です。
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よくある質問
Q1:ベンチャーキャピタルの投資家を探すにはどうしたらよいですか?
A1: ベンチャーキャピタルの投資家を見つけるには、いくつかの方法があります。
一つは、業界会議やピッチコンテストなどのネットワーキング・イベントに参加し、投資家と直接会う方法です。
また、ベンチャーキャピタルデータベースやクラウドファンディングプラットフォームなどのオンラインリソースを利用して、あなたの業界やビジネスモデルに関心を持つ投資家とコネクトする方法もあります。
Q2:ベンチャーキャピタルが提供する一般的な資金額について教えてください。
A2: ベンチャーキャピタルが提供する資金額は、企業のステージや業界によって異なります。
アーリーステージの企業では、シード資金として数万円から数百万円の資金が提供されるのが一般的です。
後期段階の企業では、数百万円から数千万円の資金提供を受けることもあります。
Q3: ベンチャーキャピタルの投資家は、投資先企業にどの程度関与しているのでしょうか?
A3: ベンチャーキャピタルは、投資契約の内容によって、投資先企業に大きく関与することがあります。
投資先企業の経営や意思決定に積極的に関与するベンチャーキャピタルもあれば、あまり関与しないことを好むベンチャーキャピタルもあります。
また、戦略的なアドバイスや、潜在的な顧客やパートナーの紹介など、企業の成長を支援することもあります。
Q4:ベンチャーキャピタルの一般的な投資スケジュールを教えてください。
A4: ベンチャー・キャピタルの投資スケジュールは、企業のステージや投資条件によって異なります。
シード資金ラウンドの場合は、数週間から数ヶ月で完了しますが、後期の資金ラウンドの場合は、それ以上かかる場合もあります。
投資後、ベンチャーキャピタルは通常、数年間投資を維持し、将来的に大きな利益を得るために所有権を売却することを期待します。
投資サイクル全体は、数年から10年以上かかることもあります。